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従来型のリューズはなく、ゼンマイの巻き上げや針合わせを行う輪列やクラッチ機構が不要なため、ムーブメントの省スペース化を実現。

バックプレート/ムーブメントプレートは、超硬合金の一体削り出しで、丸みを帯びた長方形のアウトラインをなしていて、ラグを含むケース底部に直接はめ込まれている。ケース底部とベゼルのあいだには、ケースを縦にしたときに見える非常に薄いガスケットがあり、最後にベゼル、そこに上部のサファイアクリスタルが取り付けられている。ケース全体は、ロウアーケース(いわば下部のベゼルのようなもの)、ケースバック/ムーブメントプレート、ガスケット、そしてベゼルの4つのパーツでサンドイッチされた状態になっている。

クリスタルの厚さはわずか0.3mmで針の隙間は0.1mmと、期待通り非常にタイトなクリアランスを実現している。安全対策として、文字盤の下にふたつの丸いシリコンバンパーがあり(主ゼンマイから見て3時位置と6時位置)、過度の圧力がかかった場合にクリスタルの裏側がムーブメントに接触するのを防いでいる。

2021新作 ブルガリ 偽物オクト フィニッシモ ミニッツリピーター SAP103279

オクト フィニッシモ ミニッツリピーター
Ref:SAP103279
ケース径:40.0mm
ケース厚:6.9mm
ケース素材:18Kピンクゴールド(サンドブラスト仕上げ)
防水性:30m
ストラップ:ブラウンアリゲーター、18Kピンクゴールド製アーディヨンバックル
ムーブメント:手巻き、Cal.BVL 362、約42時間パワーリザーブ、毎時21,600振動、36石
仕様:時・分・秒(スモールセコンド)表示、ミニッツリピーター、コート・ド・ジュネーブ、シースルーケースバック

アルティプラノ アルティメート・コンセプトでは、時針と分針は通常のダイヤルのように配置されているが、(これも輪列レベルにまで下げられている)、ブルガリでは時分針にふたつの個別のサブダイヤルを用いている。ランニング・セコンドも表示されるが、これは輪列の動力の流れに直接連動している。

テンプには板バネを採用(ブレゲオーバーコイルはクロノメーターや工芸品の観点からは好ましいが、厚みがでるためこうした超薄型時計には原則的に採用されない)。テンプの微調整は、アジャスタブルリムウェイトによって行われる。テンプはみっつのアームからなるテンプ受けの下で振動し、ヒゲゼンマイの内端カーブのためのスタッドホルダーが内蔵されている。このブリッジは、通常の4石(ふたつの軸受けとキャップジュエル[蓋石])とショックスプリングに代わって、テンプの耐震システムとしても機能するように設計されている。

従来型のリューズはなく、ゼンマイの巻き上げや針合わせを行う輪列やクラッチ機構が不要なため、ムーブメントの省スペース化を実現。その代わりに、ローレット加工が施されたふたつの独立した水平の歯車(平らなツマミのようなものだ)がケース側面にセットされている。右側の歯車で時刻を調整し、8時位置にある左側の歯車でゼンマイを巻き上げる。設定ツマミにはニュートラルポジションと第2リューズポジションがないため、針の駆動輪は輪列からディファレンシャルギアで分離されており、針を設定する際に輪列の回転を妨げることが無いように設計されている。

ツマミのすぐ隣、ムーブメントの3時位置に見える小さなクリックホイールは、設定ツマミの回し間違いを防ぐだけでなく、時刻合わせの際に感触をフィードバックする(ニュートラル位置がないため、ノブが不意に動くのを防ぐため)。

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